スタンフォード大学の研究チームは、頭部CT血管造影法(CT Angiography)の画像読影において、AIサポートによって放射線科医のパフォーマンスが大幅に向上することを明らかにした。
学術誌JAMA Network Openに掲載されたチームの論文によると、662名の患者における脳スキャン画像から、脳動脈瘤の可能性が高い部位をハイライトする機械学習アルゴリズムを構築したという。HeadXNetと呼ばれる同アルゴリズムによるサポートを利用した際、放射線科医の脳動脈瘤識別における感度・正確度に5%前後の明らかな向上を確認したほか、100スキャン画像あたり平均6例の追加的な症例捕捉に繋がっていた。
AIによる疾患診断は放射線科領域を中心に急激な技術革新がみられているが、アルゴリズムの妥当性と法整備の問題などから、実臨床利用はまだ限定的な状況にある。病変部位を可能性ごとにハイライトして指し示すアルゴリズムは、単に診断名を与えるAI診断システムに比べて柔軟な利用が可能であり、比較的新技術に懐疑的な組織であっても、AI導入の取っ掛かりとなる可能性がある。