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医療過疎地の住民をAIが救う – iFlytekとJF Healthcare 中国農村部での取り組み

都市部と地方での医療の差は万国共通の課題である。人やお金について簡単に埋めることのできない資源の差を、技術で解決しようとする取り組みが世界各地にある。急速な経済発展をみせる中国だからこそ、農村部の医療過疎と格差についての問題意識は強く、遠隔医療がひとつの解決策と考えられている。

China Dailyが2019年7月10日に報じたのは、中国農村部の医療過疎を救うAI技術についての特集である。中国で音声認識技術などを代表するAI大手企業としてiFlytekは知られているが、医療分野への進出も注目されている。同社のAI『Xiaoyi』は、2017年に中国国内で医師向けの適格試験に挑戦し、オフライン環境で合格点を記録して注目を浴びた。そのヘルスケア部門iFlytek Healthが開発した医療アシスタントAIは農村部を中心に配置され、2019年3月までに1200の施設で使用、150万人以上の診断補助を行った。「草の根(grassroots)医師たちの診療時間の短縮、正診率の向上に大きな助けとなっている」と同社のCEOであるTao Xiaodong氏は語っている。

例えば、X線検査機器を導入した農村部の自治体で、それを診断と治療にまで結びつけられる医師がいないことは、近年でも中国では珍しくはなかった。JF Healthcareは、AIと遠隔通信によるオンライン医療サービスを12の省・自治区で1019の施設に提供し、2000万人以上の住民をカバーしている。X線画像は、AIの診断補助を受け、クラウドへのアップロードから10分で専門的な評価がもらえる。草の根医師たちにとってはレポートで自身の診療レベルを向上させる効果もあるという。ある意味では環境が作り上げたとも言える中国の遠隔医療に対する強い取り組みであるが、いまだ方向性がつかみきれていない印象がある日本の遠隔医療と、今後どのように比較されていくだろうか。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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