皮膚生検の不要な時代へ – 国立台湾大学付属病院で皮膚疾患診断AIアプリ導入

皮膚疾患のAI診断は専門医に匹敵する(過去記事)という風潮が強くなり、実用化の動きが盛んになってきた。先月、国立台湾大学付属病院(NTUH)はスマートフォンアプリによる皮膚疾患のAI診断システム導入を発表した。

Focus Taiwanの報道によると、同大学病院の皮膚科で導入されたシステムでは、診断の難しい5つの皮膚疾患(基底細胞癌・悪性黒色腫・扁平上皮癌・母斑・脂漏性角化症)をAIで識別するという。病変の写真はスマートフォンアプリからシステム上へ簡単にアップロードでき、AIによる診断精度は試験段階で90%を達成した。「診断精度をさらに向上させ、不必要な皮膚生検を回避するのがひとつの目標である」と同皮膚科の医師は語っている。

皮膚疾患は見た目による診断を基本としているが、生検を避けるのが難しい疾患もある。患者にできるだけ傷をつけない「非侵襲性」は先進医療のキーワードであり、AIによって達成しようとするアプローチが増えてきた。また、同大学病院はAIによる医療を、臨床意志決定支援システム(CDSS)と位置づけて、IT企業との協力を進めている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。