脳波からADHDを診断できるのか?

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、落ち着きのなさや集中力の欠如を主体とする発達障害のひとつ。問診や症状の推移、神経心理学的検査などを組み合わせて診断を行っている。したがって、単一で診断に結びつく客観的な評価尺度はなかった。

Journal of Clinical Medicineに19日公開されたドイツからの研究では、脳波検査単独からADHDを識別する深層学習アルゴリズムを構築している。事象関連電位と呼ばれる、内的・外的刺激に応じた電気生理学的反応を測定したもので、チームのアルゴリズムでは、健常者とADHDを持つ患者とを最大83%の正確性で識別できたという。一方、ADHD患者におけるサブタイプに関しては、AIを利用して互いに識別することはできなかった。

ADHDと脳波については非常に多くの先行研究があり、疾患固有の脳波特性もいくつか指摘がされてきたが、現時点で脳波検査は他疾患を除外する目的での利用が主となっている。今回の研究成果は、深層学習アルゴリズムによって脳波からADHDを診断できる可能性を示唆するものではあるが、研究者らも論文中で述べるように「今後、信頼性の向上のためには多くの追試が必要」であることは間違いない。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。