上部消化管の内視鏡検査は施行件数・技術ともに、日本が世界を大きくリードする。一方、熟練した医師であっても全ての病変を漏れなく抽出することは難しく、内視鏡によるスクリーニングでは約2割の前がん病変が見落とされているとの報告もある。日本発のAIベンチャーが、内視鏡検査によるスクリーニングをサポートするAIシステムの開発に取り組んでいる。
NVIDIAのプレスリリースによると、日本の医師によって創業されたAIM(AIメディカルサービス)では、NVIDIAのGPU(TITAN Xp、Quadro P6000など)を利用し、内視鏡検査支援のAIシステムを開発しているという。同社のディープラーニングツールでは、内視鏡から送られる映像をリアルタイムで分析し、リスクの高い病変部を指摘することができる。ピロリ菌胃炎判定では医師の平均を上回る正解率を示すなど、そのアルゴリズムは高い精度を誇っている。
過去の記事でも紹介したように、米中においてもリアルタイムAIを利用した内視鏡検査支援システムの開発は進んでいる。AI時代においてもなお、日本の十八番を日本の技術が先導することができるか、大きな注目が集まる。