リアルタイムAIによる大腸内視鏡検査でのポリープ診断支援

Photo by iStock

大腸内視鏡検査でポリープを見つけ除去することは、大腸がんへの罹患を大きく低減する。だがポリープをもれなくみつけることは簡単ではなく、医師の経験による差も少なくない。そういったなか、AI技術を利用することで、ポリープ診断を支援する取り組みが盛んとなっている。

Gastroenterology & Endoscopy News の報道では、米カリフォルニア大学アーバイン校の研究チームが、機械学習によるリアルタイムAIを用い、内視鏡専門医単独では達成できないほどの高いポリープ発見率を実現したという。Natureでは、中国の研究グループが開発した深層学習アルゴリズムが、大腸内視鏡検査のリアルタイムAI支援として、高い感度と特異度でのスクリーニングを達成したと報告されている。

内視鏡検査に関しては、日本の大手3社(オリンパス・富士フイルム・HOYA)が世界シェアの大半を占める。厚労省の選定するAI開発重点領域にも含まれ、実用レベルでの発展が進んでいる。Annals of Internal Medicineには、リアルタイムAI支援によるポリープ診断で、日本発の高品質な前向き試験も報告された。一方、国家間でのAI開発競争は熾烈となっており、当該分野における覇権争いにも予断を許さない状況が続いている。

前の記事Amazonが目指す医療AIのあり方
次の記事ロレアル 肌診断を行うAIシステムを開発
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。