内視鏡検査をAIがサポート – 日本発ベンチャーの取り組み

上部消化管の内視鏡検査は施行件数・技術ともに、日本が世界を大きくリードする。一方、熟練した医師であっても全ての病変を漏れなく抽出することは難しく、内視鏡によるスクリーニングでは約2割の前がん病変が見落とされているとの報告もある。日本発のAIベンチャーが、内視鏡検査によるスクリーニングをサポートするAIシステムの開発に取り組んでいる。

NVIDIAのプレスリリースによると、日本の医師によって創業されたAIM(AIメディカルサービス)では、NVIDIAのGPU(TITAN Xp、Quadro P6000など)を利用し、内視鏡検査支援のAIシステムを開発しているという。同社のディープラーニングツールでは、内視鏡から送られる映像をリアルタイムで分析し、リスクの高い病変部を指摘することができる。ピロリ菌胃炎判定では医師の平均を上回る正解率を示すなど、そのアルゴリズムは高い精度を誇っている。

過去の記事でも紹介したように、米中においてもリアルタイムAIを利用した内視鏡検査支援システムの開発は進んでいる。AI時代においてもなお、日本の十八番を日本の技術が先導することができるか、大きな注目が集まる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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