イスラエルのAI画像診断ツール開発企業Aidoc(過去記事)は、米国でFDA認証を次々に進めているファーストランナーである。今回、9月にリリースされたのは、いわゆる脳卒中を包括的にCTから特定するパッケージである。
NeuroNewsでは、同社の最新版ツールのリリースを報じている。脳卒中と呼ぶ場合、虚血あるいは出血を起こしている病態に大きく分かれる。新実装のパッケージは、そのどちらも関係する血管閉塞に対してフラグを立てるのが特徴で、脳卒中を多面的に診断できる。救命科や放射線科の画像診断ワークフローに組み込まれ、バックグラウンドで「常時オン」のツールが継続的に分析を続け、虚血性と出血性の脳卒中患者が発見され次第、最優先でリストに順位づけされるという。
「time is brain(時は脳なり)」という医学の標語にもあるように、脳卒中の迅速な診断と治療は、転帰の改善に不可欠である。また米国脳卒中協会(ASA)と米国心臓協会(AHA)は「door-to-needle(ドアから針まで)」すなわち脳卒中発生のdoorから血栓除去治療のneedleまでの時間短縮に焦点を当てたケアプログラムを実施している。AidocのAI診断ツールにはパッケージが随時追加され、放射線医学の規制をクリアしながら、臨床での社会実装が続けられている。さらにリードを固めてゆく同社のツールには業界水準となる可能性が高まっている。