Googleはヘルスケア領域において、これまでで最大の顧客との契約に成功した。Ascensionは全米で150の病院と50を超える高齢者施設を運営する。今後は、同ヘルスケアプロバイダーが管理する患者データの一部および解析ツールをGoogleのサーバーに移し、同社クラウドコンピューティングサービスを積極的に利用することとなる。
この契約は7月の決算報告で言及されていたが、その際、The Wall Street Journalは「数百万人もの個人健康関連情報を入手することになる」と報じた。共有されるデータセットには、診断記録・検査結果・入院歴など詳細な患者記録が含まれていることが明らかとされたため、一部ではその危険性を指摘する声もあがっていた。Googleは今週月曜日、同社ブログ投稿の中で「患者データはGoogleのカスタマーデータとは突合できないこと」を強調している。
一般的にクラウドストレージサービス自体は、利益率の単調減少をみるビジネスとなっているが、Google Cloudはその優れたAIツールによるブーストで、ライバルであるMicrosoft AzureやAmazon Web Servicesとの差別化を画策している。Reutersは昨日の報道で、「Ascensionとのパートナーシップで得られる莫大な医療情報は、潜在的に収益性の高いAIツールの調整に役立つ」ことも指摘した。