毎年恒例となった世界最大級の技術見本市「CES 2020」が、米ラスベガスで始まった。7日~10日の4日間に渡る開催期間中、世界各国から6万人の参加を見込む。医療関連商品・サービスも多く紹介されるが、ここでは近年勢いが増す「台湾発医療AIプロダクト」を取り上げる。
台湾メディアDigiTimesが報じたところによると、Taiwan Tech Arenaパビリオンには、Heroic-Faith Medical Scienceが開発した「AIによる肺音モニタリングシステム」がある。システムでは、複数の検出パッドを使用することで患者の呼吸音データを自動収集し、肺血管攣縮や肺水腫、肺線維症などを含む複数の病態の初期症状を検出できるとしている。
呼吸の評価は呼吸様式の観察や、古典的な聴診器による聴診を主としているが、手軽な持続的評価手段は限られていた。Heroic-Faithによるシステムでは経時変化を捉えられるほか、パッド位置を複数とすることで多角的な肺アクティビティの評価を行うことができる。本システムがどれほどの疾患予測力を持つかについては更なる検証が必要となるが、非侵襲的な検査機器として発展の可能性を多分に秘めている。