医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向3Derm Systems 皮膚腫瘍識別AIでFDAブレイクスルーデバイスの認定

3Derm Systems 皮膚腫瘍識別AIでFDAブレイクスルーデバイスの認定

米ボストンに所在する皮膚画像診断技術に特化した3Derm Systemsは、同社の皮膚腫瘍識別AIがFDAの実施する「Breakthrough Device」の認証を受けたことを7日公表した。これにより、FDA専門官との密なやり取りを通し、市場展開への効率的な道のりを歩み始めることとなる。

3Dermの公表によると、同社の3DermSpotは、皮膚病編画像から悪性黒色腫・扁平上皮癌・基底細胞癌を高精度に識別することができるという。CEOのLiz Asai氏は「私たちは現在、たくさんの疑わしいAIプロダクト(snake oil)をかき分けて進まなければならない。正しいものを作るには、高い臨床水準に適合すること、持続的に患者・医療者・政策立案者の視点を取り入れた改良を続ける必要がある」と述べる。

プレスリリース中でも触れられているように、皮膚科専門医へのアクセスが極端に制限されている米国内にあっては、特にプライマリケア医がこの種の技術を導入する意義が大きい。アルゴリズムの妥当性・信頼性が高いことが前提となるものの、日常診療の場において高精度な皮膚疾患スクリーニングを実現することは、医療の質的改善に大きく資する可能性がある。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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