米MITの研究チームは、AIを利用して新しい抗生物質を導くことに成功した。研究を率いたJames Collins教授は「この新しい化合物はこれまでに見つかっている抗生物質の中でも、最も強力なものの内のひとつである」ことを強調する。
Digital Health Newsが報じたところによると研究チームは、化合物の分子構造を分析することで、潜在的な抗生物質を特定することのできる機械学習アルゴリズムを訓練したという。2500に及ぶ分子を分析した後、同アルゴリズムは薬剤耐性菌を含む多くの深刻な細菌に対応できる、全く新しい抗生物質を同定することに成功した。
1968年公開の映画「2001年宇宙の旅」で、人工知能を有するコンピュータシステム・HAL9000に由来し、本抗生物質は「halicin」と名付けられた。創薬におけるパラダイムシフトさえ意味する本研究成果は、人類と細菌の長い戦いの歴史に大きな一幕を加えようとしている。