高血圧は心血管疾患をはじめとした重篤な疾患群の引き金となる。日常的な血圧測定・管理はこれらの予防のためにも重要だが、カフによる締め付けには一定の不快感が伴う。バングラデシュなどの研究チームは、光電式容積脈波記録法(フォトプレチスモグラフィ)を活用した「締め付けのない血圧測定法」の実現を目指している。
オープンアクセスの科学誌Sensorsに今週チームが公表した研究論文によると、219名から測定したフォトプレチスモグラフィ信号の波形特性から機械学習アルゴリズムをトレーニングし、収縮期および拡張期の血圧を推定するモデルを構築したという。最良の予測モデルはそれぞれ別個に選択されており、チームは「ハードウェアへの実装によって、血圧の継続モニタリングと突然の重篤な変動に備えることができる」とする。
フォトプレチスモグラフィは動脈血酸素飽和度をモニターするパルスオキシメーターでの活用がよく知られており、指先の小さなデバイスで酸素飽和度や心拍を捉えることができる。近年ではApple Watchの光学式心拍センサーに採用されており、AI技術の適用によって利用範囲の急速な拡大が見込まれている。