心電図・脳波・眼電図といった医療現場で日々取られる波形データから、睡眠のAI解析に取り組むEnsoDataという米国のスタートアップがある。全世界で年間15億回以上取得されるそれら波形データの解析を自動化することは、医療における大幅な時間とコストの削減を可能とする。
EnsoDataのプレスリリースによると、10日付けで同社は900万ドルのシリーズA資金調達を発表した。医療機器及びウェアラブルセンサーから収集された波形のデータポイントをAIで解析する技術によって、EnsoDataは睡眠時無呼吸症候群をはじめとした睡眠関連疾患の検出・診断をサポートする。
睡眠をめぐるAI研究は近年の一大トレンドであり、なかでも80%が未診断/未治療といわれる睡眠時無呼吸症候群には潜在的な健康管理の需要が高い。症候群として高血圧・心臓病・糖尿病・メンタルヘルスといった多くの他疾患リスク増加にも関連する重要な問題でありながら、質の高い手頃な価格の医療を受けられている人は多数とはいえない。そのギャップを埋める技術でEnsoDataのようなスタートアップが領域を牽引していくだろう。