医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例50歳以上が直面する健康格差に立ち向かうプロジェクト - 米ハワード大学とAARP

50歳以上が直面する健康格差に立ち向かうプロジェクト – 米ハワード大学とAARP

米国 AARPは50歳以上を入会要件とした、約3800万人の会員数を擁する米国最大級の非営利・超党派団体である。かつては定年退職後の生産的な老後生活を支える目的の協会であったが、現在では退職後に限らず、壮年以降の高齢者の社会問題に取り組んでいる。同団体は米ハワード大学と提携して、高齢者が直面している健康格差に取り組む2つの臨床試験を実施している。

ハワード大学のニュースリリースによると、2つの臨床試験として「糖尿病管理と服薬状況の改善」「健康問題を抱えた人たち同士をつなげるオンラインコミュニティ」が実施されている。新型コロナウイルスのパンデミックによって、高齢者・慢性疾患患者・医療アクセスが不十分なコミュニティでの圧倒的な重症化および死亡リスクが浮き彫りとなった。2つのプロジェクトはこれら地域社会のヘルスケアを向上させる目的を有する。1つ目の糖尿病については、顔認証技術から投薬を促す音声優先型の技術。2つ目のオンラインコミュニティでは高血圧・心血管疾患・遺伝性疾患・がん・神経変性疾患などを対象として、社会的なつながりを向上させる。

AARPとハワード大学は問題解決のために、モバイルアプリ・医療用センサー・ARとVR・AI・ウェアラブルデバイス・顔認証と音声認識・データ解析といったあらゆる先端技術を用いるという。COVID-19をきっかけとして立ち上がったプロジェクトによって、最も弱い立場にあるコミュニティへ最も革新的な手法を届けるという取り組みが今後どのような成果を発揮するか注目したい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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