米中両国は国策としてのAI開発推進を強力に展開し、巨大な資金力を背景として他国を大幅にリードする。現時点で「米国は中国に対してわずかな優位性を持つものの、その差は明らかに小さくなっている」との、米シンクタンクによる調査結果が明らかにされた。
South China Morning Postが26日報じたところによると、米カリフォルニア州サンタモニカに本部を持つランド研究所の最新の調査報告では、1. 中国の膨大な人口に伴う圧倒的なデータ量 2. 優れたAI研究の基盤となる強力な半導体産業 3. 大規模な政府の投資 などから中国はAI開発の主導権を握るに近い立場になりつつあることが示されたという。
中国は3年前、「2030年までに自国のAI産業を170兆円規模の世界トップ水準とする」という野心的な国家戦略を明らかにしている。中国では法制度や報道規制など、イノベーションを促すのに必要な一般環境に関して米国に遅れを取ってきたが、近年、AIスタートアップ設立数や同分野における特許数、コアジャーナルでの論文数などが急増するなど、専門人材の育成に成功していることも産業の成長を後押ししている。