米テキサス州ヒューストンに所在するライス大学の研究チームは、機械学習アプローチにより「3Dプリントされたバイオスキャフォールド」の開発に取り組むことで、創傷治療における革新を求めている。スキャフォールドは「足場」を意味し、細胞増殖を促す環境の土台となるもので、再生医療における主要な要素のひとつと考えられている。
ライス大学が22日公表にしたところによると、同大学のLydia Kavraki氏が率いる研究チームは、3Dプリンティングにおける印刷パラメータからバイオスキャフォールドの品質予測を行うAIアルゴリズムを構築したという。チームが開発を進めるスキャフォールドは、損傷組織のプレースホルダーとして機能する骨のような構造を取る。多孔性のスキャフォールドは新しい組織に変わることで、細胞・血管の成長をサポートすることができる。創傷部位に対して最適化させるためには、3Dプリンティングによる個別のスキャフォールド生成が有用で、材料選定と設計を含む開発プロセスの迅速化と質的向上のために機械学習アプローチを取り込み、試行錯誤を重ねてきたとのこと。
Kavraki氏は「材料工学とコンピューティングの交差点には多くの課題がある」とした上で、同領域に参入する研究者が増えることを望む考えを明らかにした。Tissue Engineeringにオンライン公開されたチームの研究論文はこちら。