医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例耳鏡検査をAIで変革 - 米 Otologic Technologies

耳鏡検査をAIで変革 – 米 Otologic Technologies

耳の感染症や鼓膜の障害を診断する際、耳鏡という古典的な検査手法が頻用されているが、ここには歴史的に大きな変化はなかった。米ウィスコンシン州マディソン拠点のスタートアップ Otologic Technologies が開発するデジタル耳鏡は、合成画像・診断プログラム・遠隔診療で従来の診断プロセスを変革しようとしている。

Wisconsin State Journal では、Otologic社の特集記事を報じている。デジタル耳鏡で撮影された3-5秒の動画を同社のプログラムにアップロードすると、その中から照明条件やピントが適切な静止画フレームが検索され、繋ぎ合わせて1枚の画像を合成し、明度調整や強調処理が実行される。得られた条件の良い画像を、同社のデータベースに照会することで14種の耳の異常を自動診断する。

同社の技術は、共同創設者で耳鼻咽喉科専門の Aaron Moberly博士らによる先行研究を発端とする(学術誌 SPIE Medical Imaging 2017 収載)。かかりつけ医や小児科医が耳の疾患を不得手とする可能性の中、システムは非専門医を上回る診断精度を謳う。低所得国やCOVID-19での移動制限地域など、遠隔医療での使用も想定しながら、Otologic社は来年後半のFDA認証への申請を予定している。同種の技術については、ジョンズ・ホプキンス大のスマート耳鏡を紹介した過去記事も参照いただきたい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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