医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例空からNHSを支援する英国宇宙局

空からNHSを支援する英国宇宙局

英国国民保険サービス(NHS)では、COVID-19のパンデミックを経て、医療のサプライチェーンとロジスティックの課題を浮き彫りにされた。その解決策のひとつとして、英国宇宙局(UK Spase Agency)は、NHSのサポートから生まれたヘルスケア・ドローンのスタートアップを支援している。

英国公共部門情報サイト GOV.UKが報じたところによると、NHSの臨床起業家プログラムに採択されているApian、英国宇宙局の協力を受け、衛星を利用したGPSでドローンが安全に航行できる空中回廊のネットワーク確立を目指している。同社のサービスによってヘルスケア・ドローンが、COVID-19の検体、検査キット、個人防護装備(PPE)を運送できるようにする。パンデミック後の収益性を考慮し、医療機器・医薬品・輸血製剤などの配送で、NHSに対して強化された物流システムを提供し続ける計画があるという。

英国宇宙局はヘルスケア・ドローンの他、COVID-19関連で医療機関へ送迎を希望する人々に、手頃な交通機関アクセス情報を提供するモバイルアプリ「DriverNet」による支援も行っている。AIによるユーザの位置情報処理で、NHS職員と患者は送迎サービスの利用について、テキストメッセージやアプリ上の通知を受けることができる。NHSでは患者が受診予約を逃すことが年間1500万件にのぼるといい、その来院率を改善し、コスト削減効果を期待する。パンデミックを機として英国宇宙局はNHSを強力に支援し、その計画は流行終息後をも見据えている。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事