医師と患者の会話を音声認識から自動で書き起こすAIプラットフォームの開発競争が進んでいる。テック大手とのパートナーシップで各社はシェア拡大を見込むが、なかでも米Nuance CommunicationsはMicrosoft社との提携で注目された(過去記事)。更なる進展としてNuanceは米国最大級の非営利カトリック系医療グループを展開するProvidenceとの協力関係を発表している。
Nuanceのニュースリリースによると、Providenceが米国7州でグループ展開する51の病院や1,085の診療所などでNuanceの音声対応AIプラットフォームを活用していくこととなる。同社のアンビエントセンシング技術は、患者の同意のもとに臨床医との会話を聞き取り、電子カルテ内への文書化を補完していく。その結果、医師を患者のケアに集中させ、医療者の燃えつきの原因のひとつとされる管理業務の緩和促進が期待できる。
ProvidenceのAmy Compton-Philips医師は「Nuanceとのパートナーシップは、医師や看護師が提供する最前線のケアを記録に残すというハードワークを容易なものにします。開発されたツールによって医療者がキーボードではなく患者に集中できるようになるでしょう」と語った。