医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向骨粗鬆症を防ぐ大規模AIプロジェクト - EUREKAフレームワークへの採択

骨粗鬆症を防ぐ大規模AIプロジェクト – EUREKAフレームワークへの採択

欧州における先端技術の共同研究計画を推進する枠組み「EUREKA」において、Storm IDZebra Medical Visionが新しいパートナーとして採択された。臨床実装を目指す新しいAIシステムは、骨粗鬆症の早期発見・介入により患者ケアの質的向上と医療コスト削減を狙うものだ。

デジタルテクノロジー領域のコンサルティングを手がける英Storm IDは23日、イスラエルの医療AIスタートアップであるZebra Medical Visionとの協力によって、骨粗鬆症の早期発見を目指す新しいAIシステムの開発に取り組むことを明らかにした。これは医療画像と電子カルテ記録から「骨粗鬆症とそれに伴う骨折リスクの高い者」を検出するシステムで、2年間に渡る共同研究と臨床試験を経て、英国およびイスラエルの病院への実装を目指す。またこのプロジェクトはEUREKAフレームワークのもと、英国・イスラエル両国による資金援助が予定されている。

世界的な有病率の上昇を認める骨粗鬆症は、外傷とは無関係に骨折をきたす「脆弱性骨折」の主たる原因で、特に高齢者における脆弱性骨折は深刻な転機を誘発することがあり問題視されてきた。Storm IDのディレクターであるPaul McGinness氏は「潜在的なリスクを事前予測することで、適切な早期介入を実現することができる。これは患者だけでなく、医療システム全体にとっても望ましいことだ」と話す。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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