COVID-19患者のICU治療においては、高頻度に気管挿管による呼吸管理が伴う。集中治療医や麻酔科医にとって挿管手技自体は珍しいものではないが、留置後の挿管チューブ位置確認は欠かせない。種々ある異所挿管の中でも、「片肺挿管」は低酸素血症や肺の圧外傷、気胸など重篤な合併症を引き起こし得る。GE Healthcareはこのほど、気管内チューブの位置を正確に捉えるAIソリューションを公開した。
GE Healthcareが23日明らかにしたところによると、このツールはGEのCritical Care Suite 2.0に含まれる5つのソリューションの1つであるという。気管挿管実施後の胸部レントゲン画像を自動解析することで、気管内チューブを正確に捉えるとともに、適切な配置であるか、追加処置が必要であるかを判断することができる。気管内チューブは上記の合併症を回避するため、気管竜骨より先に進めないことが求められるが、このツールでは症例の94%において、チューブ先端と気管竜骨との距離1.0cm以内までを正確に捕捉することができる。
重症COVID-19の治療においては物的・人的リソースと時間の制約から、挿管患者における気胸・圧外傷の発生増が危惧されている。GE Healthcareは「これらの特定と警告によって、迅速な患者治療の導入も実現する」点に言及し、医療現場をひっ迫させるCOVID-19治療を助ける革新的テクノロジーとして大きな自信を示す。