パーキンソン病で進行する神経症状のひとつとして音声機能の障害がある。パーキンソン病患者は米国内で150万人、世界では約1000万人という推計がある。米インディアナ州のスタートアップ企業SpeechVive Inc.は、耳掛け型のウェアラブルAIデバイスでパーキンソン病の言語療法を遠隔で行うプラットフォームを開発している。
デバイスの共同研究に取り組む米インディアナ州パデュー大学のニュースリリースによると、遠隔AIプラットフォームであるSpeechViveは、COVID-19のパンデミック下において遠隔療法の需要が高まり注目を受けているという。同デバイスはパーキンソン病患者が1日2〜8時間装着し、発声時にノイズを発生させることで発話者にフィードバックを与え発声機能を強化する。これまで4年間の臨床研究でパーキンソン病患者が「強い音圧」「長い発声」「明瞭度の改善」が得られるといった訓練効果を示してきた。
SpeechViveは今後も国内のパーキンソン病患者を対象とした研究を主導し、COVID-19パンデミック下で爆発的に増えるテレプラクティックの必要性に応えようとしている。