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ノースウェスタン大学 – 胸部X線画像からCOVID-19を検出する新しいAIプラットフォームを開発

米ノースウェスタン大学の研究チームは、胸部レントゲン画像からCOVID-19を高精度・高速に検出する新しいAIプラットフォームを開発した。研究成果は24日、放射線科領域のトップジャーナルであるRadiologyに掲載された。

チームの研究論文によると、DeepCOVID-XRと呼ばれるこのAIプラットフォームでは、胸部読影を専門とする放射線科医と比較して診断速度で10倍、正確性で1~6%高い値を示すなど、高度のスクリーニング性能を有しているという。また、アルゴリズムの生成と検証には1.7万を超える胸部レントゲン画像を利用しており、これはCOVID-19関連のAIシステム開発で最大規模の臨床データセットであるとのこと。研究チームは、このAIプラットフォームを入院患者に対する迅速スクリーニングとして利用することを検討しており、陽性患者の適切な隔離による他患者と医療従事者の保護効果を期待する。

ノースウェスタン大学による公式ニュースリリースにおいて、著者のひとりであるAggelos Katsaggelos氏は「我々はこのAIプラットフォームが、COVID-19の確定診断テストに取って代わることは目指していない」とし、現状、数時間から数日かかっているPCR検査結果を待つ間の、早期スクリーニング手段としての確立を見込んでいる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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