医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例オーストラリアにおける皮膚がん・メラノーマ診断AIの臨床試験

オーストラリアにおける皮膚がん・メラノーマ診断AIの臨床試験

オーストラリアは皮膚がん(特にメラノーマ)の圧倒的な好発地域として知られている。同国のノース・クイーンズランドでは、自動車事故死者をメラノーマによる死者が上回るという統計があるほどの社会問題となっている。

オーストラリア公共放送局 ABCの報道によると、ノース・クイーンズランドなど複数の都市で「皮膚がん早期発見を目的としたAIソフトウェアの臨床試験」が行われる。利用される皮膚がん検出AIのひとつはドイツ製の機器で、ノース・クイーンズランドのクリニックでは0.2mmという世界最小レベルのメラノーマを発見した実績をもつという。(※編集部注:報道で具体的な製品名は出ていないが、写真内で独FotoFinder社medicamが使用されている)

臨床試験にはオーストラリアがん研究財団から1000万ドルの助成金があてられ、15の都市、そのうち5ヶ所はクイーンズランド州に機器が設置される。臨床試験によって、来年から15,000人のオーストラリア人がAI技術に無料でアクセスできることになる。同研究財団のCEOであるKerry Strydom氏は、AIの皮膚がん検出力とスピードに感銘を受け「技術は特に農村部で有用であり、ミリメートル単位のスキャンデータはネットワークを介して皮膚科医の多くが在籍する都市部に送信される。メラノーマは早期発見するほどに患者にとって良い結果が得られることは既に証明されているため、成果への期待は多大だ」と述べた。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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