Deep Longevity – AIによる心理的老化マーカーの探索

「老化」にフォーカスし、健康寿命の延伸を狙うAIスタートアップ・Deep Longevityはこのほど、AIによって心理的老化マーカーを導いたとする研究成果を、査読付きのオープンアクセスジャーナル・Agingに公表した。

チームの研究論文によると、25-70歳、1万人を超えるアンケート調査結果から機械学習モデルのトレーニングを行ったという。モデルはアンケートの質問項目から、主観的・心理的年齢を高精度に推定できるように設計されている。独立データセットで行われた検証研究においては、1. この心理的年齢が高値であるほど死亡率が高いこと、2. 心理的年齢が実際の年齢より5歳上回る場合、通常の年齢認識を持つ人に比して2倍の死亡率を示すこと、などが明らかにされた。研究チームはこの「心理的老化マーカー」が、自身を若々しく感じ、生産的な生活を送るための有効な介入策立案に役立つ可能性に言及する。

Deep Longevityは、AI創薬のトップリーダーであるInsilico Medicineからのスピンオフ企業で、個性的な研究テーマと高い技術力で昨今大きな注目を集めている。Deep Longevityは今後、男女間における老化認識の差異、メンタルヘルスに関連する心理社会的マーカーの探索などへと研究スコープを拡張し、心身の健康に関する統合モデルの構築を目指している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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