インドでは農村部を中心として歯科衛生に多くの問題を抱えている。その原因としては、口腔衛生に対する知識の欠如、適切なスクリーニング機会の不足、歯科診療のインフラ不足が挙げられる。インドのベンガルール拠点のスタートアップ「Denta Mitra」はいつでもどこでも歯科サービスを受けられるモバイルアプリをインド国内で開始した。
南アジア地域のメディアANIではDenta Mitraのサービスについて報じている。アプリには歯科往診の手配・24時間365日のオンラインビデオ相談・歯科疾患を検出するAIベースのモバイル診断ツール・甘味の消費量測定・口腔衛生のリマインド・電子処方箋といった機能を盛り込む。歯科往診サービスは現在デリーとパンジャーブ州で提供している。
Denta Mitraは2020年7月のアプリ登録以来、事業拡大を目的とした資金調達の最中である。モバイルの歯科サービスは大幅なコスト減のみならず、若い歯科医にとって治療成績の向上とキャリア形成の助けになると、同社では目論んでいる。歯科のインフラ不足に比し、インド国内でのスマホ普及率は高くモバイル技術に対するニーズが強い。他方、日本国内においてはCOVID-19に関連した時限的特例で歯科のオンライン診療が算定されており、今後モバイル展開の歯科への需要がどう変化するか注目したい。