COVID-19流行後、在宅のリモート勤務やソーシャルディスタンスによる人間関係の変化は、新たなストレスと課題を生んでいる。企業などにおける健康モニタリングツールの需要の高まりに対し、カメラからバイタルサインを読み取りAIで解析する技術を提供するのが、イスラエル拠点のAIスタートアップ Binah.aiである。同社については以前にも紹介した(過去記事)。
Binah.aiの5日付プレスリリースによると、同社の技術を組み込んだ、組織・企業向けの健康モニタリングプラットフォーム「Binah Team」の発売が発表された。プラットフォーム上のカメラからはユーザーの心拍数・心拍変動率・酸素飽和度・呼吸数、そしてストレスレベルの定量化など幅広いバイタルサインが取得される。同アプリはiOSとAndroid、Windows 10に対応し、組織ごとのプライバシーポリシーに従って情報を非公開としながら、従業員らの健康を管理できる。Binah.aiは1月11日から14日までバーチャル開催の電子機器見本市 CES 2021にも出展しており、Binah Teamのライブデモが行われている。
Binah.aiは日本においても生命保険会社のSOMPOひまわり生命と提携し、契約者のストレスレベルを測定する実証実験の開始とアプリのリリースが発表され話題となった。Binah.aiの技術には、カメラに映る顔の頬上部から反射する赤・緑・青の光の変化を解析するremote photoplethysmography (rPPG)が応用されている。これら技術はセンサーやウェアラブル機器に依存しないため、これからの遠隔健康監視の市場に破壊的な影響を与えることが期待されている。