長寿医療におけるAI

老化研究から健康寿命延伸に取り組むAIスタートアップ「Deep Longevity」については、AIによる心理的老化マーカー研究に関してを以前に紹介した(過去記事)。同社から学術誌 Nature Agingに直近で寄稿されたコメンタリー論文では、最新のAI研究が長寿医療分野にどうつながっているか概説されている。

学術誌 Nature Agingには、Deep Longevityの創設者であるAlex Zhavoronkov氏らが「Artificial intelligence in longevity medicine」と題したコメンタリーを寄せている。そこでは、単一の疾患や臓器を対象とした従来の医療アプローチではこれからの時代の健康寿命延伸に小さな影響しか与えられない前提から、加齢や老化というすべての生物に共通する普遍的特徴に対してAI・ディープラーニングを応用することで、画期的な進歩が起きる可能性について論じている。

著者らは、AIをベースとした実験的な長寿医療を、今こそ一般臨床現場へ転換・加速させる時と主張し、そのための学会・規制当局・ベンチャー各社らを包括した基本的枠組みや、学際的な共同作業の必要性についても述べている。「公衆衛生を公衆の健康長寿へと転換させる」という結語が印象的であり、Deep Longevityの今後の展開にもますます注目していきたい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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