手の筋力低下に苦しむ患者は、加齢・多発性硬化症・脳卒中・関節リウマチ・手根管症候群など多岐にわたり、英国内では250万人程度との試算がある。それら握力低下を支援するため、AIベースのロボットグローブを開発するスコットランドのスタートアップ「BioLiberty」がある。現在BioLibertyはエジンバラにあるヘリオットワット大学を拠点とし、エジンバラビジネススクールのインキュベーター支援を受けて開発をすすめている。
ヘリオット大学のニュースリリースでは、BioLibertyのAIロボットグローブについて紹介している。その軽量グローブはユーザーの筋電図を測定し、握ろうとする意図を検出するアルゴリズムによって、ユーザーに必要な握力を与えることができる。瓶を開ける・運転する・お茶を注ぐといった日常の幅広い作業に対応しており、一部の特定動作の握力にのみ対応していた市場の従来製品と差別化されている。
BioLibertyの共同創業者であるRoss O’Hanlon氏は、自身のおばが多発性硬化症と診断されて動作困難となったことを会社立ち上げのきっかけとしており、「おばのような人々が自立性を維持するためにテクノロジーを用いた課題解決に取り組むことを決めました」と語る。同氏は「BioLbertyが支援を受けているようなインキュベータープログラムが、他の起業家にも次のステップを踏み出すきっかけとなることを願っている」とする。