救急科AI – COVID-19の増悪を予測するマルチモーダルAIシステム

迅速かつ正確な患者評価とトリアージは、救急科における臨床的意思決定で重要な因子となる。米ニューヨーク大学の研究チームは、画像および臨床情報を複合した多面的なデータ群に基づき、COVID-19患者の急速な病状悪化を予測するマルチモーダルAIシステムを開発している。

npj Digital Medicineから12日公開された研究論文によると、チームは3,661人の患者データから増悪予測のためのアルゴリズムを構築したという。このAIシステムは、胸部単純レントゲン画像から学習した深層ニューラルネットワーク、および日常的な臨床変数から学習した勾配ブースティングモデルの2つを複合しており、96時間以内の病状悪化をAUC 0.786で予測することができる。

研究チームは、データドリブンなAIシステムが「救命救急の現場を支える可能性」を強調している。同システムはニューヨーク大学ランゴーン医療センターに実装され、AIによるリアルタイム予測が臨床的有効性を示すか、継続した評価が続けられている。

関連記事:

  1. 新型コロナとAI:医療AIで新型コロナウイルスに立ち向かう最新テクノロジーまとめ
  2. COVID-19感染検知アプリëlarmがニュージーランド国境警備隊で試用
  3. スマートフォンでの音声分析によるCOVID-19自動検出
  4. 機械学習モデルが示すCOVID-19症例数と陽性報告数の乖離

前の記事炎症性腸疾患の分類を糞便のみで行うAI研究
次の記事One Drop – 8時間血糖値予測AIエンジンでCEマーク取得
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。