脳卒中後の運動機能を予測する機械学習アルゴリズム

脳卒中患者における後遺障害として四肢運動障害は重要であるが、複雑な病因と多様な症状発現のために個別化された適切な予後予測は容易ではなかった。韓国・嶺南大学校の研究チームは、入院時データから「脳卒中後の運動機能予後」を予測する機械学習アルゴリズムを構築した。研究成果はこのほど、Journal of Stroke & Cerebrovascular Diseasesから公開されている。

本研究論文によると、1,056の脳卒中患者データを利用し、14のシンプルな臨床変数から発症後6ヶ月時点での運動機能を予測する機械学習アルゴリズムを導いた。用いた機械学習モデルは深層ニューラルネットワーク(DNN)・ロジスティック回帰・ランダムフォレストの3つで、運動機能評価にはBrunnstrom stageと歩行自立度の指標としてFunctional Ambulation Categoryを選んでいる。上肢機能および下肢機能のいずれの予測に関しても、DNNモデルが最も優れたパフォーマンスを示し、AUCでそれぞれ0.906および0.822であった。

著者らは「機械学習アルゴリズム、特にDNNが脳卒中後の四肢における運動機能予測に役立つ可能性がある」としており、リハビリテーションを含む治療計画策定への重要な示唆を与えるものとして、当該領域におけるAIの活用機会増にも言及している。

関連記事:

  1. リハへのAI活用 – 脳卒中患者における下肢装具の必要性を予測
  2. Viz.aiの脳卒中における「時間」への挑戦
  3. 脳卒中の迅速診断をスマホ動画で行うAI研究
  4. 脳卒中発症後における受診の遅れを予測する機械学習アルゴリズム
  5. 主要心血管イベントへのAIリスク予測

前の記事進化を続けるスマートトイレのAI研究
次の記事MaskFit AR – 睡眠時無呼吸のCPAP/BiPAPに最適なマスクを選ぶスマホアプリ
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。