医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例世界禁煙デー2021 - WHOの禁煙支援デジタルツール提供

世界禁煙デー2021 – WHOの禁煙支援デジタルツール提供

5月31日は「World No Tabacco Day(世界禁煙デー) 2021」であり、禁煙キャンペーンがWHO主導で行われている。喫煙者はCOVID-19による重症化や死亡リスクが40~50%高くなるとして、その弊害がさらに注目された。

WHOのリリースによると、同機関の支援する禁煙キャンペーン「Commit to Quit」では禁煙デジタルツールが無償配布されている。キャンペーンは29の重点対象国(リリース内の下部記載参照、日本は含まれず)を対象とし、Viber、WhatsApp、FB Messenger、WeChat、AI企業でSoul Machinesといった企業との提携で、禁煙支援サービスを提供している。Quit Challengeという機能ではチャットボットとAIデジタルヘルスワーカーの「Florence(過去記事)」によって、禁煙を維持するためのヒントや励ましを最大6ヶ月間、毎日通知する。

WHOによると、世界全体では男性で約39%、女性で約9%が喫煙者と推計されている。最も喫煙率の高い地域であるヨーロッパ(26%)では、政府の早急な対策がなければ2025年までに2%しか減少しないと予測されている。日本国内では「CureApp」によるニコチン依存症治療アプリが保険承認されて耳目を集めた。今後も禁煙をめぐる次世代のデジタルツールが全世界で展開されていくだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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