医療機器大手 GE Healthcareが展開するAIプラットフォーム「Edison」を以前にも紹介した(過去記事)。同社のような大手プロバイダのもとに多数の医療AIスタートアップが合流し、統合された診断プログラムを提供するのがトレンドとなっている。
GE Healthcareの3日付プレスリリースによると、同社は心臓病治療におけるAIの推進に向けて、米国心臓病学会(ACC: the American College of Cardiology)との提携を発表した。ACCは「Applied Health Innovation Consortium」という、AIとデジタル技術を臨床応用するためのリーダーシップとエビデンス構築を推進する多分野合同グループを展開しており、そこにGEが参加し支援を行う。この共同事業には、学術界・臨床・テクノロジー企業・患者団体から賛同者が集まり、AI開発における信頼性確立を目指している。そのなかでEdisonプラットフォームは、GEが展開するAI製品の基盤として心臓病対策への中心的役割を担う。
今回のパートナーシップでは、循環器疾患領域で最重要視されている「ケア・パスウェイ(早期発見~治療~自宅でのフォローアップ)」に取り組む予定である。GEは心臓病ケア・パスウェイ形成のため、AIとデジタル技術の専門知識を提供し、リスク予測と臨床意思決定を支援する。特に心房細動の管理を重点課題として、冠動脈疾患・弁膜症・心不全にまでケア・パスウェイの形成を拡大していく。プレシジョン・ヘルス(精密医療)達成のための業界の大きな動きがまたひとつ生まれようとしている。
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