美容整形手術を求める目的の多くは、若く魅力的な外観に「時を戻したい」という欲求に基づく。米国形成外科学会(ASPS)の調査によると、パンデミックの影響を色濃く受けた2020年も、同国内では23.4万人以上の患者が美容整形手術を受けたという。
フェイスリフト手術の結果はその評価が難しく、これまで主観的な基準に照らして判断することが主であった。米ホフストラ/ノースウェル医科大学などの研究チームは、既存の「見た目年齢評価AIアルゴリズム」を活用し、手術前後における患者の主観的評価とAIによる客観的評価の差異を検討した。Plastic and Reconstructive Surgeryからこのほど公開されたチームの研究論文によると、畳み込みニューラルネットワークによって構築された4つのAIは、対象となった50人(平均年齢58.7歳)において、手術前の写真から実年齢をほぼ正確に推定していたという。一方、フェイスリフト後の写真では、AIが平均して4.3歳程度、実年齢より若く評価していたのに対し、患者の主観的評価では6.7歳程度若返ったと認識していた。
研究チームは「フェイスリフトの治療効果を、患者は過大評価する傾向があるのかもしれない」とした上で、これが手術への感情的および経済的投資を反映したものである可能性に言及している。また、これらのAIアルゴリズムは、フェイスリフト手術後の「見た目年齢」を客観的に評価する理想的な臨床ツールになり得る点を強調するとともに、形成外科医の自己研鑽を目的とした技術評価にも適用できる余地があるとして、今後の利用拡大を予期している。
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