中国・武漢市に所在する華中科技大学などの研究チームは、COVID-19死亡率に影響を与える予測因子の評価と、機械学習を用いた死亡リスクの予測モデルを構築した。研究成果はAnnals of Medicineからオンライン公開されている。
チームの研究論文によると、2施設に入院した1,270名のCOVID-19患者データ(うち1施設の286名は外部検証セット)を用いたという。LASSOによる変数選択では、疾患重症度・年齢・高感度CRP・LDH・フェリチン・IL-10の6項目が「COVID-19死亡率に影響を与える重要な予測因子」として抽出された。これらに基づき、XGBoostによる死亡リスクの予測モデルを構築したところ、90%を超える精度と85%を超える感度を得、外部検証セットにおいてもF1スコアとして0.90を超えることを確認している。
著者らは「COVID-19死亡への重要なリスク因子を明らかにした。これらは高リスクのCOVID-19症例を同定するのに役立つ可能性がある」とし、研究成果の重要性を強調する。COVID-19を巡っては多様な予測モデルが提唱されているが、本研究では特に炎症マーカーが主要な予測因子になり得ることを指摘しており、近傍研究への示唆は大きい。
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