イーロン=マスク氏創立のスペースXが宇宙飛行サービス事業の新時代を切り拓き、宇宙のミッションはより一般的、より長期的となることが予想される。数ヶ月から数年にわたり宇宙に滞在する飛行士の健康を監視するため、尿検査は普遍的な価値をもつ。イスラエルのAIスタートアップHealthy.io社は、2022年予定の民間人宇宙飛行士4名によるISS(国際宇宙ステーション)滞在ミッション「Ax-1」へ、同社の家庭用腎機能検査アプリキット「Minuteful Kidney」の特別版を提供する。
Healthy.ioのニュースリリースでは、同社の「Minuteful Kidney」がAx-1の宇宙飛行士のひとりでイスラエル人のEytan Stibbe氏のISS滞在に携行される計画を報じている。従来、宇宙空間で採取された尿検体は凍結して地上で検査するのが一般的であったが、Healthy.ioの技術によって宇宙空間でリアルタイムの腎機能測定がより現実的となる。同社のデバイスキットでは、尿を浸した試験紙をスマートフォンカメラで撮影し、AIによる色調分析によって、腎機能検査項目のひとつ「尿アルブミン/クレアチニン比(ACR)」を得ることができる。
無重力や放射線など、宇宙環境が腎臓に与える影響は今後さらなる解明を必要としている。Healthy.ioが提供する強力なテクノロジーとシンプルな使用法が、尿検査ひとつでさえも制約のある宇宙環境で価値を発揮できるか、ミッションでの成果が期待される。同社は2020年に世界の有望AIスタートアップTop100に選出されており(過去記事)、宇宙進出の話題をきっかけとしてますます注目を集めていくだろう。
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