2型糖尿病の発症リスクを予測するAI研究

糖尿病の罹患率と有病率は世界的に上昇し続け、後者は2010年から2030年までに発展途上国で69%、先進国で20%増加すると推算されている。カナダ・トロント大学の研究者らは、オンタリオ州の住人210万人の2006年から2016年までのデータから、「5年以内の2型糖尿病発症リスクを予測する機械学習モデル」を構築する研究に取り組んでいる。

トロント大学のニュースリリースによると、同大で開発された機械学習モデルは5年以内の2型糖尿病発症を約80%の精度で予測(AUC 0.8026)することができた。研究成果はJAMA Network Open誌に掲載されている。このモデルで高リスクと予測された上位5%の患者は、オンタリオ州で糖尿病に費やされる年間医療費の26%を占めていた。

2型糖尿病の大半は予防可能であるため、発症リスクが高い者を特定し早期介入を行うメリットは非常に大きい。研究の責任者でトロント大学の公衆衛生大学院准教授であるLaura Rosella氏は「この研究は2型糖尿病の蔓延を食い止める為、健康の社会的決定要因を精査することがいかに重要かを示している」とも語っている。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

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防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。