病理AIの飛躍へ – PathAIが大規模検査会社を買収

米ボストンを拠点とする病理AIスタートアップであるPathAIは、病理学領域を中心とする臨床検査サービスの提供において米国内最大級であるPoplar Healthcareの買収を明らかにした。これにより、PathAIはPoplarが有する大規模患者ネットワークへのアクセスを実現する。

PathAIが26日明らかにしたところによると、Poplarの施設および350名に及ぶ従業員はメンフィスに留まりつつ、PathAIの臨床診断部門を構成することとなる。PathAIの従業員数は総勢550名となり、病理学領域におけるAI診断支援技術の開発と社会実装を加速させる。2016年に設立されたPathAIは、スタンフォード大学で生物医学情報学の博士号を取得した病理医Andy Beckと、MITで機械学習の博士号を取得したAditya Khoslaの共同創業によるもの。

PathAIはまず、Poplarの診断ワークフローをデジタル化し、画像分析AIを活用した新しい臨床アプリケーションの開発に取り組む。Beck氏は「私たちの使命は病理AIによって患者の転帰を改善することだ。Poplarへの投資は、病理学者への当社製品の提供による強力なケアサポートにつながり、この使命をさらに前進させることができる」と述べる。

関連記事:

  1. 病理AIで非小細胞肺がんのネオアジュバント療法を評価
  2. AI病理診断の雄「Ibex」 – 乳がん診断で欧州CEマーク取得
  3. 病理学におけるAI/機械学習の展望
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事