AI病理診断の雄「Ibex」 – 乳がん診断で欧州CEマーク取得

Healthcare and medicine concept - woman holding pink breast cancer awareness ribbon

病理診断AIを展開するイスラエル発のスタートアップ Ibex Medical Analyticsは、前立腺がんの病理診断AI「Galen Prostate」で業界をリードしてきた(過去記事)。Galenシリーズは次なる展開として、乳がん病理診断AIに取り組んでいる。

Ibexの26日付プレスリリースにでは、同社の乳がん病理診断AI「Galen Breast」が欧州医療機器規制 CEマークを取得したことを発表している。今回のCEマーク取得は、仏キュリー研究所およびイスラエルの大規模保険医療サービス機構 Maccabi Healthcare Servicesで行われていた多施設共同臨床試験の良好な結果を受けたものである。Galen Breastは、乳がん病理標本から「浸潤がんや非浸潤性上皮内がんといった深達度別の検出」、「浸潤がんの中でも小葉がんや乳管がんといった組織型別の検出」でAIによる病理診断の支援を行う。

Ibexによると、Galen Breastは欧州の主要な医療機関から複数の発注を既に受けており、今回のCEマーク取得によって欧州内でのシェア拡大の加速が期待されている。乳がんは世界中で年間約200万人が新規に罹患し、近年の患者数増加や個別化医療によるがん診断の複雑化と相まって、人員が減少傾向にある病理医の負担増につながっている。前立腺がん病理診断AIと同様の恩恵をもたらすことができるか、その展開が期待される。

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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。