猫が痛みや不快感を感じているか、他の愛玩動物と比較しても猫の行動から潜在的な痛みの兆候を分析するのは難しいとされる。客観的な痛みの評価が困難であることは、どんなに熱心な飼い主であっても適切な受診や治療の遅れを招きかねない。カナダのスタートアップ Sylvester.AI社は、AI手法で猫が痛みを感じているかを識別するアプリ「Tably」を開発している。
同アプリでは、愛猫の写真を撮ることでそのボディランゲージ指標から痛みを感じているかを識別する。アルゴリズムの中心となるのは、モントリオール大学附属教育動物病院で開発された「Feline Grimace Scale」という指標で、その研究成果は scientific reports誌に報告されている。このスケールでは、5つのマーカー(①耳の位置、②目の開き具合、③鼻先からあごを含む口元を示す通称「マズル」の緊張、④ヒゲの位置、⑤頭の位置)が0-2点でスコアリングされ、猫が潜在的に感じている痛みを評価する。スケール解析のため、Tablyでは猫の画像から機械学習によって構築されたアルゴリズムが使用されているという。
現在Sylvester.AIの公式サイトから、技術に興味を持ったユーザー向けにベータ版が提供されている。これまで飼い主にとって時間がかかったり複雑過ぎた愛猫の痛みの評価に、AI駆動の新たな信頼できるソリューションが確立されるか。全世界の愛猫家と猫たちを強力にサポートするアプリとなるかもしれない。
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