小児入院患者に「ICUケアが必要となるか」を予測するAIモデル

米ジョージワシントン大学の研究チームは、小児入院患者において「直近でICUケアが必要となる可能性」を予測する機械学習モデルを構築した。研究成果はCritical Care Explorationsからオンライン公開されている。

研究論文によると、小児入院患者計4万人以上のデータを利用し、入院治療を受ける小児が「今後一定期間(6-12、12-18、18-24、24-30時間後)においてICUケアを必要とするか、ルーチンケアにとどまるか」を予測する機械学習モデルを構築した。予測因子は生理学的検査結果および現在の治療内容・強度とし、モデルパフォーマンスを独立したデータセットでテストしたところ、AUC 0.917と高い識別精度を示していた。また、興味深いことに種々のパフォーマンス指標は、シミュレートされた小児病院と、病床数やロケーション、教育状況などに差のある他医療機関においても同等であったという。

著者らは「ICUまたは非ICUケアとして、小児患者における将来のケアニーズを特定することは、疾患重症度の変化の推定であり、ケア要件が増加/減少/安定する患者をそれぞれ特定することができる」とする。疾患重症度予測における適切なフレームワークとして、特に「早期臨床介入の恩恵を受ける可能性の高い患者」を検出し得る点でその有用性を強調している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。