疑わしい皮膚病変がみられた際、スコープによる観察を経て組織の生検が検討される。医師の主観に依存しやすい生検実施の判断を助けるため、韓国のSpeclipse社は、レーザー誘起プラズマ分光法(LIPS: Laser-Induced Plasma Spectroscopy)にAI解析を組み合わせた「皮膚がん診断のためのポータブルデバイス」を開発している。
19日付プレスリリースでは、Speclipse社が770万ドルの追加資金を調達し、累計の調達額が1300万ドルとなったことを発表している。同社の皮膚がん診断装置「Spectra-Scope」はレーザー分光技術からリアルタイムで非侵襲的ながん診断が可能で、感度95%・特異度87%を謳い、患者の利便性向上と不要な生検を減らすことに貢献する。
米国では皮膚生検だけでも「年間1兆円超規模の市場」との試算もある。Spectra-Scopeは2020年に欧州諸国、オーストラリア、ブラジルで海外医療機器認証を取得し、20カ国以上に販売網を構築してきた。Speclipseの解析技術は皮膚がんの他、血液バイオマーカーへとその対象領域を拡大し、リキッドバイオプシー分野のパラダイムを変革することも期待されている。
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