医療における「コーディング」とは、診療録に記載されている病名を国際疾病分類(ICD)に従ってコード化することを指す。これは正確な患者状況の把握や、あらゆる疾病を国際比較するために必要な分類であること、また適切な医療費請求の拠り所となることなどから、医療において欠かすことのできないプロセスとなる。これまで、「診療録の翻訳家」として知られるICDコーディングスペシャリストを中心とし、人手によって行われてきたコーディング作業をAIによって自動化しようとする取り組みがある。
米Nym Healthは、この医療コーディング自動化プラットフォームで先導的な立場を取るスタートアップで、計算言語学とクリニカル・インテリジェンスを組み合わせた同社の革新的アプローチは、米国内医療機関におけるコスト削減に多大な貢献を示してきた。現在Nym社のプラットフォームでは、コードの識別精度96%以上を誇り、90を超える救命救急施設に導入され、年間300万枚を超えるチャートを処理している。
Nym社のソリューションでは、診療録に自由記載された文章を解析し、人手を介すことなく数秒でICD-10-CMとCPTの償還コードに変換することができる。同社がこのほど明らかにしたところによると、ある医療機関において「1日の患者退院量の半分以上」を数分以内でコーディングすることにも成功したという。また、正確なコーディングによって、1チャートあたり平均20ドル以上の償還機会の損失を回避させたとする.
Nym社でシニアバイスプレジデントを務めるMelisa Tucker氏は「我々の臨床言語理解プラットフォームが、救急医療の現場における収益サイクル管理のための信頼できる効果的なソリューションであることは、既に証明されている」と話し、プロダクトの質に大きな自信を示している。
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