医療費未払いを防ぐAIアプリケーション

米医療サービス団体であるGeisingerはこのほど、フィンテックスタートアップであるPayZenと共同し、医療費未払いを防ぐためのAIアプリケーションの提供を開始した。JAMAに掲載された最新の報告では、米国における未払い医療費は2020年に1400億ドルにも達するなど、深刻な社会問題となっている。

Geisingerが明らかにしたところによると、このアプリは自己負担額が250ドルを超える患者が利用できる「支払いスケジューリングシステム」であるという。アプリ利用者は、自身の経済状況と診療内容に応じた支払いオプションを選択可能で、一括払いの他、月ごとの分割払いにも対応する。また、長期の支払いを選択しても、手数料や金利の上乗せは無い。現在、同団体では月数百人程度での新規登録が進み、月ごとの平均支払額は52ドルとなっている。

GeisingerのCRO(chief revenue officer)を務めるRobert Dewar氏は「医療費の支払いを容易とすることに加えて、親しみやすいカスタマイズ可能な無金利プランを提供している。経済状況は人それぞれだが、患者が経済的理由によって、必要な治療を避けたり先延ばししたりしないようにすることが我々の義務だ」と述べている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。