不整脈検出は、最新のスマートウォッチ/ウェアラブルデバイスにとって標準機能となりつつある。AIとクラウド技術で心疾患診断に取り組む「Cardiologs社」は、脳卒中リスクに関連する心房性不整脈(AA: atrial arrhythmias)の検出において、同社のディープラーニングアルゴリズムがApple Watchの心電図アルゴリズムを上回る性能を示した、という臨床試験結果を公表した。
11月13日から15日にかけて開催されたアメリカ心臓協会(AHA)のScientific Sessions 2021で同研究成果は発表されている。フランス・パリの医療機関Institut Cardiovasculaire Paris-Sud(ICPS)の協力のもと、Cardiologsのディープニューラルネットワーク(DNN)を用いたAAの検出性能が、Apple Watchのオリジナル心電図アプリケーション(ECG 1.0 App)と比較評価された。その結果、CardiologsのDNNは、特異度を維持したまま感度を34%向上させ、分類不能な測定値を25%から1%に減らしたという。
スマートウォッチの記録からAAを検出するパフォーマンスが大幅に向上することで、従来の重要な懸念点であった「スマートウォッチ心電図の結果が決定的診断ではない」という課題が解消に向かう。研究を担当したICPSの心臓電気生理学者Laurent Fiorina氏は「結論の出ない結果に対し、医師が検討する時間を短縮する」と、より改良されたアルゴリズムの価値を述べた。Cardiologsの技術進歩はまさに、次世代のウェアラブルヘルス技術を切り拓こうとしている。
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