Biomedical Signal Processing and Control誌からオンライン公開された研究論文によると、深層学習モデルの学習によって、臨床ルーチンとして取られる標準的血液検査項目から「十分に臨床利用可能な水準での」COVID-19診断が実現された。
イラン・ウルミア大学コンピュータ工学部のSamin Babaei Rikan氏が率いた本研究では、7つの機械学習モデルと4つの深層学習モデルを用い、血液検査によるCOVID-19の診断を試みたという。結果、ディープニューラルネットワーク(DNN)モデルが最も安定した成果を上げており、3種類のデータセットにおけるDNNの精度はそれぞれ、92.11%、93.16%、93.33%といずれも高水準を維持していた。また、同モデルは感度(96.14%、93.27%、77.05%)と特異度(84.56%、93.02%、95.27%)も、3つの異なるデータセットに対して優れた成果を達成している。
著者らは「COVID-19の診断には現在、PCR検査・胸部X線・胸部CT等が用いられているが、いずれも理想的とはいえないだけの欠点を持つ」とした上で、「得られた結果から、本研究で提案したDNNモデルはこれまでに文献で紹介されたモデルの中で、最も正確で高速なモデルの1つであると言える。臨床医がCOVID-19を診断する際に役立つ自動化ツールとしての確立を目指す」と述べている。
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