医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向「AI OS」 - Aidoc社が提案する画像診断AI用オペレーティングシステム

「AI OS」 – Aidoc社が提案する画像診断AI用オペレーティングシステム

医療画像AIをリードするAidoc社は、自社プラットフォーム上に複数の画像診断AIを組み込むことで、対応する領域を拡大してきた(過去記事1参照)。そのような技術統合の流れの一環として、同社は24日付リリースで「AI OS」と呼ばれるオペレーティングシステムを発表した。AI OSでは、統合された単一のシステム上で多数の画像診断AIアプリケーションが利用可能となり、システムを導入する各医療機関の利便性拡大を謳う。

米国における2020年の調査(過去記事2参照)では、調査対象医療機関のうち90%が何らかのAI利用戦略を開始しており、2019年調査の53%から大幅に上昇していることが示されていた。しかし実際のAI導入は全体の34%に留まり、導入の障壁として「新しいツールを取り入れるたびにITインフラを一新する必要性」を懸念する声が少なくなかった。

Aidocが提案するOSは、インフラを更新することなく継続的にAI機能を拡張していくことができ、これをプラットフォームの真の価値とする。今回のOSには、5つのサードパーティ企業(Imbio、Riverain、Icometrix、Subtle Medical、ScreenPoint Medical)からAIアプリが提供・統合されている。「iOS上におけるApp Store」のような強力な価値を提供できるか、今後の動向に注目していきたい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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