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散乱光で「隠れた物体を可視化」するホログラフィックカメラ

米イリノイ州に所在するノースウェスタン大学の研究チームは、合成波長ホログラフィ(SWH)と呼ばれる新技術を開発し、障害物のある領域であっても46マイクロ秒以下で対象空間を描写することを実現した。これは6x6cmのプローブを用い、「散乱光の戻り」をモニターするという仕組みを持つ。

Nature Communications誌にこのほど掲載されたチームの研究論文によると、この小さなプロービングエリア故に、内視鏡やキーホールによるイメージングに応用できるとしている。実際、新技術の持つ高い空間分解能によって、頭蓋骨を介した血管の非侵襲的イメージングの実現にまで言及している。また、経時的処理が容易であることから、胸部からの不整脈検出など、通常体表外から観察のできない臓器の「動き」を描写し、新しい疾患スクリーニングと評価を実現する可能性もある。

現時点でチームは可視光または赤外線を利用しているが、原理自体は非常に汎用性が高く、他の波長に拡張することも難しくない。したがって、同種の方法を電波に適用することでは、宇宙探査や水中音響イメージングに応用することもできると考えられ、活用範囲は医学を超えて広範なものとなることが期待されている。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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