Eye in the Sky: Defender – ビデオゲームで網膜OCT画像をデータ処理

国際的な高齢化を背景として、「加齢黄斑変性症」は視覚障害の主要原因となっている。網膜の画像検査に光干渉断層計(OCT)を用いることで正確な診断が可能となるが、OCTスキャンのデータ処理には精度・時間・コストの観点で改善の余地がある。「ビデオゲームを楽しみながらOCT画像を処理し、AIの訓練に必要なデータセットを生成する」という画期的なソフトウェアが米国特許を取得した。

研究参加している米・南メソジスト大学(SMU)のリリースによると、制作されたオリジナルのビデオゲーム「Eye in the Sky: Defender」は、プレイヤーがゲーム内で網膜OCT画像のセグメンテーション(網膜層の区分)を行うことで、いわゆるタワーディフェンス形式のゲームが進行していく(ゲーム開発元BALANCED Media社の動画参照)。侵攻してくる異星人勢力との戦いを楽しみながら、OCT画像のデータセット作成をクラウドソーシングで行う仕組みになっている。

本研究は、人間参加型のAIシステム(HITL: Human-in-the-Loop)、あるいは人間の計算力利用型ゲーム(HCG: Human Computational Gaming)としての、洗練された好例と言える。SMU所属で、BALANCED MediaのCTOも務めるCorey Clark氏は「人と機械のコラボレーションはAI/機械学習の次のステップだ。機械学習プロセスに人の知識や直感を注入することで、それぞれ単独では不可能であったものを生み出せる」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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